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同行援護支援アプリ 「おでかけくん」 プレスリリース

株式会社mitsukiが提供する同行援護支援アプリ「おでかけくん」は、同行援護の利用者、ヘルパー、それらを管理する事業所の管理者をウェブ上で繋げるアプリです。

開発者としてお手伝いをしておりましたが、7月29日、このアプリがSaaSとして他の同行援護事業所向けに販売されるというプレスリリースがありました。

同行援護とは

視覚障害があると、初めての場所に出かけるときや、移動した先で視力が必要になりそうなとき、どうしても腰が重くなってしまいます。色々な要因によって、一人での外出事態が難しいという人もいます。

そういうときに利用できるのが、同行援護サービスです。これを使うと、事前に申し込んでおくことで、目の見えるヘルパーさんが指定の場所まで迎えに来てくれて、移動中の視力的なサポートをしてくれます。

これまでの課題

同行援護は、デジタル社会になるよりも前から存在していたこともあって、いくつかの課題が残っています。それらは、利用者側からしても、ヘルパー側からしても、あるいは、同行援護サービスを提供する事業所の管理側からしても、不便を強いられるものです。

中でも最も困った問題は、いろんなやり取りが紙ベースであることです。まずもって、目が見えない人が紙に書かれた文字を読むと言うことは全くもって合理的じゃないですし、管理コストも発生します。事業所としても、紙でのやり取りを続けている限り、最近どんどん便利になっているクラウド会計ソフトの恩恵を受けることも難しいでしょう。

たぶん飽きるぐらい書けてしまうので、全ては説明しませんが、これらの問題をいい感じに解決できたとしたら、関係している人はみんな嬉しいんじゃないかと思います。

なんで開発者になったか

上に書いたようないろんな問題を解決するとか、デジタル・トランスフォーメーションとか、色々あるのですが、とりあえずここは私空間なので、私の話をします。

私、じつは2024年になるまで、同行援護の事業所と契約してませんでした。理由は、なんかめんどくさいと思っていたからです。

去年までの私の妄想はこれです。「どうせ、どこどこに行ってなになにをもらったあと、今度はここここに行って誰々と話をして、そのあとは事業所と契約して、その前に事業所のなんとかさんと面談をしないといけなくて、やっと契約できたと思ったら、依頼をしたいそのたびにどこそこに電話をかけて、すいませーんとか言って、2週間後からじゃないと困りますーとか言われて、なんやねーんおわたしきってなるんでしょ?」

実際の状態は、複数事業所を比較したわけじゃないのでわかりませんが、まぁいくつかは当てはまっているんじゃないかなと思います。特に予約を入れるときの利便性は、利用のモチベーションに直結すると思います。そこらへんを自分で作れたら最高だねということで、ご縁があったこともあり、開発に入れてもらうことにしました。

主な機能

同行援護の利用者は、 PC やスマートフォンから同行援護の依頼を出すことができます。アプリは LINE と連携しており、 LINE 連携した情報を使ってパスワード無しでログインすることができます。

事業所は、この依頼を受信して、その時間に空いてるヘルパーに募集をかけることができます。ここにもいろんな機能があり、最適なヘルパーを割り当てやすい工夫がされています。

ヘルパーが決まったら、利用者とヘルパーはアプリ上でリアルタイムにメッセージができます。両方画面を開いていたらその場でメッセージが来るという、ちゃんとしたやつです。

同行援護が終わったら、その実績をこれまた事業所の管理画面から見ることができます。そして、月末には、いい感じの経理処理ができるように、集計データを出したり、外部取り込み用のcsvを出力できたりします。これにより運営の負担さえも軽減できるというわけです。

私がやっていること

最初は利用者画面のアクセシビリティ関係をちまちまやっていたのですが、気がついたらなんかそこら中いじったり大規模リファクタリングをしたりしています。

管理画面にある各種サービスとの外部連携は、だいたい私が作りました。

開発初期では複数事業所に提供する予定がなかったため、あとから複数事業所に転回するってなったときに、データモデルを作り替えた後に、 RBAC によるアクセス制御の機能を入れたりしました。しかも、これをほぼ無停止でやりました。

最近は、私がいろんなことやり過ぎて回らなくなってきたので、後輩の全盲大学生コーダーに手伝ってもらっています。

関連サイト

株式会社mitsuki、視覚障害者の外出を支援する「同行援護」のDXを推進する支援システム「おでかけくん」をリリース。 - 株式会社mitsukiのプレスリリース

同行援護業務支援システムおでかけくん

視覚障害者の同行援護をもっと簡単に。全盲のエンジニア2名が手がける「おでかけくん」開発秘話 - Spotlite